青梅街道の事はよくわからない/虹村 凌
 
仕事を終えて青梅街道を転がっているときに
ふと鯛で釣られた海老みたいな女の事を思い出した
あの女はガリガリのジロリアンとならラーメン屋デートでも怒らない女だった
思い出すと腹が立ってきて
シメンドーにあるラーメン屋でゴテゴテのラーメンを喰ったんだ
別に満足なんかしちゃいねぇよ
腹が減ってた訳でもねぇのに詰め込んでゲボ吐きそうになって

月が綺麗ですね
あの
今でも公衆電話の光が手がかりなんです
月の爆撃機に乗って世界を
灼き尽くす夢を今でも
その
公衆電話の受話器の匂いが好きでした
公衆電話の受話器の手触りが好きでした
公衆電話の受話器のくぐもった音が好きでした

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