細胞たち/ベンジャミン
 

体中の細胞がいっぺんにしゃべりだしたら
そんな素晴らしい詩はない

分裂を繰り返しながら受け継がれるのは僕だ
どこかで乾燥して剥がれ落ちるのも僕だ

みんなも感じているのだろうか
恐ろしくも素晴らしいこの瞬間を

自分自身を構成する細胞たちが
こんなにも生死を奏でていることを

生の先端に立ち
死の末端に佇み

細胞たちが発するあらゆる現象
僕はそれをかすめとっているに過ぎないけれど

それだけでこんなにも楽しい

眺めているだけでは物足りないと
この瞬間にも

細胞たちは騒いでいるんだ




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