ノート/ぎへいじ
この幼い文字には記憶がある
漢字を覚えられない少年はそれだけで言葉を文字にする事が許されず
間違いばかりを指さされては 心を深く胸に隠すしかなかった
開け放なたれた部屋の小窓
文字に無口になれば なるほど 繊細は目に見えるものを越え 深く鮮明になって行く
はらはら めくる巡る中にある この空白に何を埋めるはずだったのだろう
全て焼き尽くすはずだった笑い者の言葉達
皮肉な事に 一文字も無い 1ページがこのノートを救う
この粗末な消しゴムで消し尽くしたページには何が書いてあったのだろうか
一度書いた詩は もう消さないで
こうして横に2本線を引いて 少し 眠らせてあげるんだよ
ヒメジオンの白い花も血を吐く様な
少年の心の旅は この一言で救われた
ヒメジョオンって言うんだぞ!!
間違ってるよ
ありがとう
いいんだ
今日はこれで…
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