(都合の良い)手紙/ブルーベリー
開けた跡地の看板に軽く絶望を唱える
お会いしなかったのは全くもってこちらの都合であり
ノスタルジックの甘みと苦みに浸されるのもこちらの都合であり
好きになったのもこちらの都合である
何を生もうとして
何が生まれたのか
看板には知るべき情報はない 軽く絶望を唱える
何を生もうとして
(、あなたの絶望は甘美だった)
何を膿んでいたのか
何を倦んでいたのか
知ろうとしなかったのもこちらの都合である
不在ばかり簡単に知らされて軽く絶望を唱える
失われた光よ
それでもどこか遠くで
私の知らぬところで光っているのならば
幸いです
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