SOSの代わりに/もっぷ
陽が落ちて分針がぐるぐると何回もまわって
やっと眠ることが出来る
いまわたしはその時間を待っている
意識の死ぬ時間を待っている
癌の再発を繰り返して最後にはすっかりと憔悴して
父は死んだ
猫の時は、彼女の場合はある日突然にだった
前触れもなく無口にいのちを終えた
遠足や修学旅行の日が早く来ないかとあどけなくも待っていた頃
つまりそれは死への時間を急いでいたということと等しいと
気がついたのはいつだったか
特に眠り足りない朝ではないいまの心地が
次の眠りを急いでいるその件を理解されようとは
思ってはいない(ウソだ!)
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