わたしという流体/
唐草フウ
陽炎の中溶けて 掬われることない
雪の中溶けて どこの道も傳えない
雨の中滴っている ただ
わたしと云う流体
てんてんてん、の信号に
折り重なる人の影 声の風向き
その間左右へ行き来する
わたしの中の流体
生血が早く胸の脈を打ち
波のような痺れ
植物の一瞬は
夜から朝へ
はやく過ぎるのに とても焦れる
季節ばかりが円く動いている
また、いきつく空の上
そして下降、流れだし足元に溜まる
固まることのない 融体
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