影虫/まーつん
が
引き剥されるように開き
電源を失ってから久しくも
窓越しに薄められた四季に
溶けることなく
氷結されていた神が
不完全な神が
どさりと床に落ちて
埃を舞い立てながら
ごろりと反転する
君は氷柱を溶かそうと
裸になったわが身で包み込むが
悲しいかなその身体には
一握りの熱さえも
残されていなかった
氷の中に閉じ込められ
慈悲の微笑みを浮かべたまま
永遠の夢を見続ける
未熟な神に向かって
君は叫びながら
目覚めを乞い続ける
朝はとっくに歩き去り
昼でさえも背中を見せて
今や夜を背後に従えた
落日の刻が迫ろうとしている
白はゆっくりと
灰色へ そして
影さえも飲み込む
息も詰まらせる漆黒へ
なのに
全ての終わりを約束した
苦悩の終わりを約束した
君の神様は
眠ったままだ
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