分銅/藤鈴呼
 
一番 つらかった時代のことを 
あなたに 話した

放してみて 霞んだ生活に
何処か 懐かしさをも 感じながら

そんな筈はないと 律する心は 儚くて
もっと 吐けば 良かったのだろうと 思う

秤に乗せた 分銅が
どれも これも
十円玉と 同じ角度で光るから

思わず 
手離して しまった だけなのかも 知れないと

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