転勤族のふるさと自慢その2/Dr.Jaco
続く。
その時我々庶民は、自分のうちの雪をそっと道路に出しておいて、拝みはしないが「頼
んだよ」と声をかける。翌朝無くなっていれば、神様の仕業なのだと思いたくなる。
サンタクロースが靴下から雪を持って行ってくれるのだ。
30万人以上の都市の中で世界で有数の降雪量を誇る青森市では、実は路地裏に入ると
過酷な雪掻きバトルが繰り広げられている。路地裏は雪を持って行く場所が無いから、
ついつい他人の家の塀に押し付けたり、放置した雪山に風が吹き付けて他人の家に運ん
でいったりする。常にもめている。
もめているが、もめている様は第三者には全く分からないような仕掛けになっている。
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