8:20(細長い缶入りのジュース)/はるな
 
と、そのまま生きていることは、
重大なねじれじゃないか、
けれども、残念なことに、
わたしはいまだにどうして腕を切ってはいけないのかが
よくわからない。
と思い至り、
わたし自身はねじれていない。
自分自身がねじれているのと
相対するものとはじめからねじれているのと
どちらが悲しいのか考えたがよくわからない。
あらかじめ壊れているものを受け入れることは、
壊れゆくものを愛するよりもずっとやさしい。って思ってたけど
泣く大人は笑われるから
びっくりして逃げてしまう。
生きているのが恥ずかしくて逃げてしまうけど
逃げやすい夢のなかでさえ
必ず起きなければならないよ、と、言われては、
わたしは細長い缶入りのジュースみたいにだんだん消えてゆくものに憧れる。


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