それは薄汚れた顔で笑っている/ただのみきや
家や権力が力でねじ伏せようとするときにこそ
名もなき誰かの中でそれは目を覚ます
奮える魂から溢れ出し 言論となり表現となり
思考停止しかけた人々の足枷の鎖を鳴らすのだ
もしも最後の数秒が許されるなら
愛する者に何を伝えるだろうか
真心から一番言いたいことは何か
悩んでいる暇などないのだが
つまり自由とはそういうものだ
自分にとって本当に一番大切なものを
一番大切にして生きる
確固たる意志 内なる力
羅針盤と大いなる翼
心の闇に戦いを挑むもの
誰もが憧れて
誰もが躊躇する
今日もまた踏みにじられ
明日もまた頭を擡げるもの
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