責任/吉岡ペペロ
肉体からでしか
たとえそれがおんなじことであっても
それぞれの肉体からでしか
ものごとは考えることが出来ないのだ
肉体とは
肉体そのもののことだ
環境のことだ
経験のことだ
知性や性格、出会いのことだ
信仰のことだ
信仰とは完全なる存在への畏怖と
その存在を複写して自己に貼付ける行為のことだ
複写や貼付けは強要できても
畏怖を強要することはできない
畏怖するものがちがっても
それはそれでいいじゃないか自然じゃないか
あのときぼくは
ぼくの肉体から出発して考えていた
軽々しく言えなかっ
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