さよならルル/吉岡ペペロ
 
目にはルルが映っていました。
ルルにはそれがじぶんなのかリリなのか分からなくなっていました。

ルルはとつぜん葉っぱからお腹がはがれるのを感じました。
ルルはおおきな影に連れ去られていました。
「ルルー」
「リリー」
「痛いよー」
「フクロウさーん、ルルをかえしてー」
「リリー、痛いよー」

ルルは痛いと叫びました。
「痛いけどきもちいいやあ」
そんなことも感じました。
口からでるのは、「痛い」。
きもちは、いい。
このことをリリにも伝えたい。
きっと、ガブもそうだったんだ。
ガブ?
あ、さっき連れ去られたガブ!
あれ、なんかいっぱい、思い出す、尾で泳いでい
[次のページ]
戻る   Point(3)