かたち またたき/木立 悟
 




夜と緑
貼られた鉱
落ちる音の色
水紋の径


冬の浅瀬
息はこぶ息
訪れぬ雨を
聴いている径


痛みと灯の間
何かがさえぎり
骨のない傘
影はひろがる


つま先のつづき
夜のむらさき
昇る浪影
白い塔の壁


空の層
ひとつのまぶた
虹は雷を追い
丘を下りる


葉色の花
草色の花に落ちる雨
虫と夜
すぎる蒼のはざまを聴く



背中
夕陽
打楽器


崖の上の灯は消えて
さらに遠くの灯が点いてゆく
水のかたち なぞるかたち
浮かびながらまたたいている





















戻る   Point(2)