青い鳥/アラガイs
 

あるとき学校で飼っていた鳥が逃げ出した。
教室の渡り廊下から
、屋上の手すりを伝い
校庭の門の下をくぐり抜け街路樹の上
(まてよ、鳥かごが何処にあったのか)
、まるで覚えてはいない。

クラスの編成替えから半年も過ぎた頃だった。
運動会の前日その最後を飾る長距離走の選手に僕は指名された。当時はダントツで足が速かったが、あいにくこのクラスには気の合う仲間が少なかった。
僕には逆に自分が指名されたことが嫌みに感じられて、憎らしくて、
、順番待ちの点呼が始まるまえに、もう一人の連れと近くの小山に逃げ出してやった。
放送部のマイクが二人の名前を何度も呼び続けている
走れば楽に勝
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