気にしないためのエチュード/殿岡秀秋
 
灯りを消してベッドに横たわり
脳裏に
小川を流し
縁に笹の葉を茂らす

夜眠れない
苛立ちを
笹の葉にのせて
流れるにまかせる

明日の不安は
確かにあるが
それも葉にのせて
見おくる

交渉が
うまく進むかどうか
という想いも
葉にのせてながす

残るものは
流れの音
ぼくは静かな闇で
聴く

今夜も悩みをてのひらにまるめて
笹の葉に乗せる
想いが闇に溶けるまで
くりかえす




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