五月の空/アラガイs
 

ないだけ金髪の見透けた青に濡れる紫こそ滲む
境界線をまたぎする病葉(わしらば)は踏み込めず
テケにても履けるパンツ白地のまぶしくて汚れ落ちず
気持ち高ぶればうつつ
更に先の橋擦り過ぎた灯籠やや黄ばんだ夏よ
または汗を吹き出すものかといかにものハエが蜘蛛に喰われてミツバチも乾く空へ見上げれば
わたしだらだらだらだらだらだらの依存
何も変わらない季節そこはかとなく
狂い忘れた夕暮れも匂い葡萄の房
なつかしきのりしろが呼ぶもやもやと
記憶に留めた入道雲また沸きだして(お〜い)誰か桟橋を千切る渡し舟
和紙(誰も止めないぴーちく
ろうく)偲びぶ針のない時計
桃取り出したるは穴のない蒸籠








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