いのちの重さ/
かわぐちひろ
星は一生を終えると
ブラックホールとなるらしい
自身の重さに耐えきれず
あるとき自然に崩壊する
質量だけが生き残り
ただひたすらに落ちている
周囲のものを巻き添えに
人も一生を終えると
ブラックホールになるらしい
自分の重さに堪えきれず
あるとき静かに事切れる
記憶の中で生き続け
ただひたすらに墜ちている
周囲のものを巻き込んで
一度越えたら戻れない
あの世とこの世の地平線
時空を超えて作用する
未知なる力 いのちの重さ
戻る
編
削
Point
(3)