蜜と毒/砂木
向けられた
その言葉どおり 義父は次の日の朝 残りの蜂を殲滅
この蜂だろう?
蜂の死骸を木の葉にのせて持ってきて 夫にみせた
違うような気がする
えっ? いや この蜂のはずだ まずは安心だ
一度 蜜の味を覚えたら 忘れられない
一度 毒にやられたら 二度めのショックで 死に近づく
蜜を持つ者は 危険を飼いならし 働かせなければ
パソコンをしていると どこから迷い込んだか
窓際に 大きめの蜂がいる
窓を開いて 逃がそうか でも また帰ってきて
洗濯物に 入り込むかもしれない
知らないうちにさされて ショックで死ぬかもしれない
殺さなければ と 私はゆっくりと 殺虫剤をとる
一度でしとめないと 逆に襲われる
気づかれないように 噴射口を向ける
かわいそうね
さされたら 私
毒に 蜜
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