模倣と擬態/るるりら
ひとり さまよう おひとりさま 酔う
大海を さまよう いっぴきのいか
あたりのいろに 自身を染めながら
いかがなものか 敵があらわれた
いかのからだは またたまくに変化し あたりの色形になる
いかんせん 敵もさるもの いかの誤魔化しは やぶられた
いかは ついに 吐く、イカ墨を。
いかすみは 浪間にゆれて いかのように伸びる
いかばかりか いかのような いいにおいすらする そのイカ墨
いやはやこれでは さすがの敵も いかの墨の中に その身をつっこみ
いかは みごと 敵をあざむく
なんと いかした いかの うごき。嗚呼 女性
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