空が消える/煙と工場
 
歴史学者の研究
私はそれを読む
           人類が誕生した
           同時に空の消滅

空はただそこにあり
誰のものでもないが
人々は所有権を求め
殺戮と破壊を繰返す

           切り取られたパズル
           本来それを空にはめ
           完成図を夢見たはず
           だが人は裏切られた

青年は地平線の
彼方を指差した
           本当は何も無いが
           然し歩き続けると


  本当の空など無いかもしれないが
  全ては幻想の企てかもしれないが
  私は青年の試みを愛したいと思う
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