twitter/葉leaf
の霞のようだ 春の鳥の声に包まれながら やがて葉は緑の濃さを増し大きさを増し 夏の日差しに陰を作る そして小さな緑の実が風に揺すられ やがて葉は落ち橙の実は大きく熟し カラスたちが舞い そんな巡りの大きな速度に接して 僕は柿と束になり歩いてきた道を振り返る
宇宙が僕を置き去りにして過ぎ去っていく 幼年時代も少年時代も青春も高速で僕をすり抜けていく 人々も社会も自然も言葉も僕を過ぎ去っていく そして最後に僕が残ったかと思えば 僕もまた過ぎ去っていって 残ったこの穴のようなもの無のようなもの 疑問符と感嘆符が冷たい風を一身に浴びている
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