フランダース/salco
 
ン・ロス・ムスロス」の用心棒兼ボーイになった大は、ひょんなことからバンタム級ホステス節子
のアパートに転がり込み、案の定仕事を辞め昼間から酒気帯び徘徊しては近所の悪童どもと「目が会った、会わない」、「笑った、
笑わない」、「駄菓子をよこす、よこさない」の悶着を起こし、石つぶてや一斗缶などを投げつけられる今日この頃である。
 そんな一夕、新規開店の花輪に吸い寄せられて入ったトリスバー「フランダース」で、同年代のカタギに対するコンプレックス
から、チロリアンハットに腰てぬぐいの2人連れをカモってやろうと話しかける。彼らが山岳部の大学院生と知るや、いつだか組
の事務所で聞いたラジオドラマの登山
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