うしろ雲/
山崎 風雅
赤く燃える月
黒い森 漂う風 そして その声
動き出した紫色の雲 そして 降り出す雨
まぶたを閉じれば
届かぬ扉 閉まる胸
見さかいなく飛び立つカラスの行き先に
ひび割れた地上の霧
届かぬ 届かぬ
この想い
堰を切ったように流れだす
閉まる 閉まる
届かないまま
まだ 届かない
戻る
編
削
Point
(1)