静かに燃え尽きる場所/狩心
 
高き空は青く
地平線に近付くにつれ乳白色に
そして我が周りでは何故か透明

自由に 何も無く
僅かな影だけを引き連れて

今この時間
肉体を失った 魂だけで
人工物に憑依して
家を目指すのだ

そしてささやかな排泄
まどろんだ微熱の口内で
飴玉を転がすように

気だるい
乳児の声が響く
うわーん、ゴロゴロ、ピカッ
ゴロゴロ、ピカッ、ドシャッ

前方100メートル先に
空から落ちた死体がひとつ


(このままでいいとは思っていない)

そうだ、そこのおまえ

(このままでいいとは思っていない)

そうだそこの、肉体を失ったおまえ


[次のページ]
戻る   Point(2)