見えない世界/
番田
西麻布の人気のない通りで
朝がくるまで踊っていた若者たち
死んだような不況の街でも
僕らは探すことを恐れない
それとも悲しみの現れなのか
わからないけれど感覚は
七色の照明の中をのたうっていた
人気のない心の中では
それらは無の世界のように見えて
麻酔を打たれた体のように
生々しい感覚に満ちている
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