美味しい水/灰泥軽茶
 
神社の脇に湧き出ている水を

手をかざして一口飲むと

喉をコロコロ撫でる

境内に生える大木から

風が気持ち良く流れており緑が眩しい

少しずつ身体中の細胞に広がる湧き水は

木漏れ日のように輝き脈打つ

両手にいっぱいためて顔に当てようとすると

青い空と白い雲が透き通るように映り

小さな龍神さまがくねりくねりと

空を昇っていくのを眺め

パシャリと顔と首を冷やして

さぁどこへ行こうか思案する
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