放浪/ドクダミ五十号
 
放浪

電車賃

五百円

それを残して


あてどなく


恨み辛みは

背中に


とぼとぼと

まちを彷徨う

銭を奴にと

思った事もある

しかし

どうだろう


太陽の光が

猫の額の様な

狭い庭を照らして

一般に言われる

「雑草」は皆無で

有用とされる

香草はしたたかに繁茂している


掃き出し窓のふちにまで

伸びている

撫でればすなわち

良い香り


同居のねずちゅうを

はなして

しばらく観察したが

茂みに遊ぶ

すぐに手のひらに

もどる


放浪すべきは

わたくしだ

公平の意味を求めて
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