さよならスーパーマーケットさん/灰泥軽茶
 
転車同士で夕方すれ違っていたけれど
もうそんなこともないんだなあと
あちらも気づいているはずなのに
たくさんあるレジの中でいつも無意識に並ぶと
その女性に当たりなんだか気まずいけれど
レジではいつも知らないふり

さよならスーパーマーケットさん
時代の波に流されちゃったけれど
跡地には何が建つかで噂はもちきりだけれど
おつかれさまでした

いらっしゃいませ
ありがとうございました
いったい何億回のあいさつが店内に響いただろうか
最終日だけは
またご来店くださいませがないけれど
わんわんと心の奥でこだまして
店を後にする






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