つまらない話/草野春心
 


  つまらない話が
  車窓のそばをながれてゆく
  それは電柱に引っ掛かりしばし風に耐え
  けっきょくは置きざりにされてしまう
  きみの
  うすく濡れたくちびるに
  ポテチのかけらがへばりつく
  シフトレバーを握るぼくの
  手のひらの汗がすばやく乾く
  つまらない話は
  もうやめにしよう



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