六月の魚/
はるな
五月の雪の木曜日
あの子はステージで裸になった
次の日には祝いにまつわる詩を書いて
大絶賛を受けたあと欄干から足をすべらせて死んだ
ま新しい五月晴れの朝に
いつもより少しだけ多くの生き物が死んだ
僕は欄干を踏み外せずにいる
春の降りやんだ街で
六月の魚になっていったあの子たちと
会いたい
会いたい
会いたいとは思っている
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