八重の優しさ/夏美かをる
躍り出てきた!
そして
まるで摘みたての苺でも入っているかのように
濡れたズボンとパンツを収めたスーパーの袋を
私の目の前に高々と掲げた
「ママ、お集まりの時間の時チッチが出ちゃったの。
でも大丈夫だった。
先生が保健室に連れて行ってくれた。
ママ、すごいんだよ。
保健室にはねぇ、着替えのズボンもパンツも沢山あったんだよ。
保健の先生が私が履いてたズボンと同じみたいだからって
これを選んでくれた。
パンツも選んでくれた。九歳用のパンツはなかったけど
八歳用のパンツがちゃんとあったんだよ、ほら!」
そこまで一気に言った彼女は、シャツをまく
[次のページ]
戻る 編 削 Point(34)