ひとつ いつわり/木立 悟
 
疲れ 蒼は黙る
無数の扉 階段 壁
冬と水の連なりを
景へ景へ接いでゆく


岩を数え
空を咬む顎を数え
浴びるもの 浴びすぎたもの
ふたたび灰に帰る径


またたきがひとつ 鳥からこぼれ
渦の樹の根元に消えてゆく
うぐいす色の 悲しい嘘
どこまでも どこまでも
羽の行方を照らしてゆく































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