午前3時のあなた/ただのみきや
 

ちっぽけな青虫が一匹
震えるように縮こまっている

そう
意味は不明
だが感じることはできる
圧迫魔王の城に閉じ込められていた
あなたは か弱く幼いままだ
だが未成熟ってことも
満更捨てたものではない
これからどんな翅を広げ
どんな世界を舞い飛ぶことやら
虹と雲の翅
稲妻と流星の翅
以外と地味に亀甲縞とか唐草模様とか
何処までも続く極彩色の花の海
夢の中で見る夢に微笑んだ

こうしてあなたは一つのカタルシスを味わった
だがあと数分もして目を覚ますと
そのほとんどを忘れてしまうだろう
ああ手のひらにメモなんかしても無駄なこと
持ち出すことなんかできや
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