錆びた世界の朝/ホロウ・シカエルボク
 
、私はどうしてそんな風にしてはいけなかったの?みんなみたいに勉強したり遊んだりしてはいけなかったの?私の最期の誕生日は六歳の時だったね、あの時から私はきっと歳をとっていないんだね、どうして私はこんなところで死んでいくんだろう、どうしておとうさんは助けに来てくれないのだろう、どうしてあの人はお母さんじゃなくなったのだろう、どうして弟は私より先に行ってしまったのだろう、お父さん、お母さん…


幼い兄弟のニュースが流れて数ヶ月が経った頃だった
とある高層マンションの一室で女が首を吊って死んでいるのが発見された
隣人が異臭に気付いて通報したとのことだった
台所の入口ドアに子供用のタオルを結び
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