サミュエル・テイラー・コールリッジ『クーブラ・カーン』(“Kubla Khan”)/春日線香
 

あの響きを長く留めることができるなら
私も宙に壮麗なる宮殿を築けるはずだ。
あの輝かしい宮を! 氷の喉を!
耳を傾けた誰もが見ることになろう
そして叫ぶのだ、用心せよ! 心を奪われるな!
彼の者の炯々たる眼に、青々とした蓬髪に!
彼の周囲を三重にも取り囲み
ただ畏怖をもって眼を閉じるがいい。
彼は甘露を味わい
楽園の乳を口にしたのだから。



Kubla Khan or, a Vision In a Dream: A Fragment

In Xanadu did Kubla Khan
A stately pleasure-dome decree :
Whe
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