深淵/カルメンオジン
 
遥かな根幹に
四散する抜け殻

微細な薄皮の
剥がれゆく感触

潮の満ち引きに
身体為す術無く

月陽に照らされ
気は遠のくばかり

宵抱き自ずから
掘り下げた深淵

藻掻けば巻き込み
掴めば引き込む

総ての災厄を
併せ持つかの様

其処に見い出した
歪な曲線は

覆る事の無い
皮肉な理想像

否定を投げ棄て
一先ず肯定

いみじくも
順行
巡行

昨日迄に無く
滲んだ視界から

変化を嘆くか
喜ぶべきなのか

朱に交わりし
己の行く末を

月陽の魔力と
砕ける波の後

最果てを染める
朝に浮かべて
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