或る男の一日(わりとどうでもいい話)/pur/cran
 
を通ろうとしてずぶ濡れになった経験のある私は、彼らとの遭遇に躊躇した。
雨脚が強くなってきた。
彼らが横断歩道を渡り終えるのを待つか、折りたたみ傘を広げるか、悩んだ。
そうして周りを見渡して、目に付いたのはチェーン経営の飲食店。
夕飯までまだ時間があり小腹も空いてきたので、
彼らとの対峙は避け、空腹を癒すことにした。

 しかし、その判断が誤っていた。
つい食べ過ぎてしまい、家に帰っても夕餉をあまり食べられず、
家内から呆れられるという結果となってしまった。
世の諸君らは用心されたし。
空腹は敵であるが、時には耐えなければならない。
残してしまったソースに汚れた御飯を見て、私は深く思い知ったのだった。
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