ひとつ 幕間/
木立 悟
午後の径 炭の径
何もない荒地から
柵が砕けながら起き上がり
霧と土を分けてゆく
吼えるたびにこがね
吼えるたびに緑
風を風に彫るように
硝子はふるえ 立ちつくす
黒い森から街へ下り
午後の高さ
午後の遠さ
どこまでも近い冬を知る
雪の上の足跡へ
曇と光が流れ込む
ふたつの紅 ふたつの砂
とめどない無音
まばたきより速く
希望はすぎる
割れ 歪み 戻る鏡
蒼く広い幕間を映す
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