まだ生きている人に向けた四章/破片(はへん)
 
は上司に少しだけ厳しく叱られた。そしてぼくは軟らかい乳房を揉む。ぼくは根性があって、見込みがあるらしい。直属の上司からの評価。その後ぼくは縋りつくようにして女性の毛を口に含む。ぼくがしたいことだけを女性の身体に行う。多分ぼくはセックスが下手だ。くたくたに窶れながらぼくはその後仕事をする。そんな日に限ってフラウは現れない。そうして必ず次の日には細い肩を怒らせて、のしのしと、前方からやってくる。ぼくは仕事をほっぽり出す。フラウがぼくをしゃがませて、ぼくの口の端を抓る。ぼくは苦笑いで謝辞を連ねる。
 経血の薄汚さを知らない少女。女性として不完全な、異質の存在。ぼくはきっとフラウとセックスしたいとは思っ
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