夢の行方/salco
 
雨がたくさん降って来て
空も窓も塞いでしまうから
わたし達
砂漠の夢を見ていましょうよ 
と女は言い
男と一緒に目を閉じます

でも、雨の音がするね
男が言いました
わたしはもう流砂の音を聞いていてよ
と女は言い
少しずつ
乾いて乾いて行きました

月の誘う夜は歌のよに
旅の王と妃になりましょう
きっとたいそう冷えるから
天幕で言葉を数えて眠りましょう
宝石のような言葉だけ
絹糸のような言葉だけ
言うと女は眠りに入って行きました

それで心を飾り立て
織って体にまとうのかい?
男は微笑んで
柔らかな傲慢を撫でながら訊きましたが
返事はありませんで
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