ちっぽけな男/
ただのみきや
あなたの涙で溺れる
わたしは蟻
ちっぽけな男だ
慰める術もなく
船乗りみたいに沈んでゆく
あなたは太陽を恋い慕う
蒼く 潤んだ惑星
わたしはせいぜいその取り巻きだ
自分の像も保てやしない
温める術もなく ただ
見つめるだけ
始めからじゃないさ
ただあなたが大きくなりすぎた
この心を埋め尽くし
息も絶え絶えなほど
そう
一度だって
話したことも
見交わしたことすらないのに
戻る
編
削
Point
(13)