足の裏のカタツムリ/茜井ことは
わたしとカタツムリの初めての出会いは、わたしが幼稚園児のときだった。
ある日、仲良しのマミちゃんの家に遊びに行くと「なぁなぁ、いいものみせてあげる」と、ぎっしりと土の詰まった虫かごの前に連れて行かれた。なんのこっちゃと覗いてみると、なにやら巻貝めいたものが埋まっているではないか。
「マミちゃん、これ、なぁに?」
「これ、カタツムリやでー」
カタツムリ? あの、つの出せ、やり出せ、めだま出せ、で有名なカタツムリ? 雨の日のアジサイの葉を探さないと巡り会えないという噂のレアキャラ、カタツムリ?
きょとんとするわたしを尻目にマミちゃんは、カタツムリを虫かごから取り出して「ほら、かわ
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