桜を愛でるということ/三田九郎
 
桜ってあんまり好きじゃないんですよ

きれいすぎて 散るのが早すぎて 悲しくなるんだ

感激する時間より、苦しい時間が長いから

ふっと見上げて、うつむいてしまう

好きなんです 好きなんだけど 好きじゃない

きれい でも見ていられない

時間が過ぎていくのって残酷だなって

あんなに悲しくなることって そんなにないから

悲しみも 苦しみも 込みで愛でる

そういうことなんでしょうけど
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