【さくらの ゆくえ  その二 桜陰編】 三篇/るるりら
 
心の中に 沈殿してゆく花びらを

一歩つづ 確かめながら 歩く




     【葉桜君は微睡んでます】


      芝生の堤が 目の高さに 続いて
      高低を描き 連続する さくら
      今年も 並木は わらいの波頭
      通り過ぎる顔 すべて ほの明るい


      いとけなく ほどけて 満開に誇る
      花のしたで あのとき きみはいった

      「もっと散るといいのに」



      しゃりんが回転して 音響が少年になる

      しゃせいの少女は 萌える葉を指さした
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