習/ズー
きみが家具の本を読んでいるなんて知らなかった。僕は豆のスープとベーコンサンドがあれば午後には何かしらの腸詰めづくりがひかえている朝でも全然だったし、そういう日の夜に限って首が痛むのを我慢すればきみが座らなくなったベンチからみえる高いナラの木のてっぺんにこと座の星が腰を掛けるのもまったく、そう全然だった。
椅子ですか?ええ。椅子は今どこにいますか?椅子は今焼き場のなかの十脚です。お元気でしたか?いえ、それがもう十脚のなかで椅子は小さく小さくなっています。それでは選ばれませんね。ええ、座れません。あなたは椅子ですか?いえいえ、私は座れません。
日曜日の晩だ。この地方の男は背もたれ
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