ピエタ/ドクダミ五十号
 
イタリア語で悲しみを 意味しています

自分の子の死に 直面して

悲しみを心に抱かない 母はおりませんが

マリアは悲しむ事さえ その胸に抱けないのです

何故かならば 彼女はそれを許されてはいなかったから

神の子を 受胎し

しかもその子 イエスが 人の世の 人の 神に対する

罪を 己の それも人間として 罰として 死んでしまうを

知っていたから

ピエタと題される作品の多くが 嘆き悲しみの母と

描写されないのは これが理由なのです

悲母マリアとされるが その悲しみを

人間の悲しとは別の 泣くに泣けない 苦しみとするからです


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