花盗人/梅昆布茶
 
零れ落ちる花弁を無碍に季節の風が運んでゆく

ちょっと絡めただけの指先が愛しくて

君の名前をそっと呼んで見る

僕は花盗人君の唇を奪うろくでなしさ

君にあずけたこころはいつか返しておくれ

爛漫の春を一花ふた花と指おれば

琥珀の時間がせめぎ合い

置き去りにされし花一輪

誰の為にか咲き匂う

から紅の命まで刺されとばかりに歌いましょう

零れんばかりの宵の口

きりりとと結んだ花手毬

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