空に浮かぶ棺/
まーつん
歯ブラシを咥えた
口元から滴り落ちる
白いドロドロも意に介さず
天井まで伸びた高い窓と
べランダに並ぶ鉢植え
そして
手すりの向こうには
空に浮かぶ棺
スモッグに霞む
街並みの彼方へと
景色に溶けていく
風変わりなモノリス
*
あれはいつか
戻ってくる
抜け落ちた羽のように
宙を舞い続けて
翼をなくした僕の手元に
いつか また
戻る
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