luck-lack/Debby
 
みしいことじゃない
ずっとむかし、とても悲しいことがあってから
せかいはそんな風だ
今となって君はかみさまのことだって
きらいじゃない

考えて欲しい、こんな風だ
誰もいない遊園地が、長い時間の中で
崩れかけたコーヒーカップに腰かけている
彼のことを
テーブルの落書きを愛おしそうに
指で追う彼の平野には
きみたちはもういない
安心していい、人類は赦された
そういうことに
したっていい

ある朝のことを君たちに話そう
この浮遊感は45分で消えてしまうとして
いつか僕も君も、崖のしたに転がり落ちてしまうものだとして
もうきっと誰も思い出さないその場所で
我々がうしなったもののことを
船出の音がしていた
山の向こうで
ずっととおい場所で





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